文:名畑 政治 / Text: Nabata Masaharu
時計王国として知られるスイス。しかし、スイスにおける時計の製造拠点は国土の西側に位置するフランス語圏に偏っており、東側にあるドイツ語圏には、ほとんど皆無といって良いほど、時計メーカーが存在しない。
そんな中、ドイツ国境に近いスイス北東部のシャフハウゼンにて創業し、現在もなおその地で活動を続ける孤高のウォッチメーカーが他ならぬIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)である。
昨年のオープン以来、中京地区における時計販売の中心的存在として多くの時計ファンから注目される松坂屋名古屋店 北館5Fの「GENTA the Watch」にも、IWCを専門にならべるショップがある。
そのショップ、「GENTA the Watch IWC」の特徴は、半個室のような空間の中で時間を気にせず、ゆっくりと時計選びを堪能していただける稀有な空間演出にある。
個室風でありながら、明るく開放的で圧迫感のない空間の秘密は、ビルの壁面にそってショップがしつらえられているため、展示スペースの奥に窓があり、そこから街路樹を眺められる点にある。
また、先ごろ店内に設置された什器の数を増やしたことで、単純にいえばそこで展示できる時計の本数が、これまでの1.5倍に増加。この豊富なストックは、それぞれのコレクションごとに分類してディスプレイされているので、非常に見やすくなっている。
この空間演出とディスプレイは訪れるIWCファンにも好評で、「お店の雰囲気が、まるでブティックのようですね」と評価されることも多く、これからIWCのオーナーになることを検討されているウォッチ・エンスージアストであれば、是非、一度お訪ねいただきたい注目のショップである。