文:名畑 政治 / Text: Nabata Masaharu
2022年7月の松坂屋名古屋店北館5階時計サロン「GENTA the Watch」オープンと共にリニューアルされたのが、新たに生まれ変わった「カルティエ ウォッチブティック 松坂屋名古屋店」である。
このリニューアル以前は、カルティエの直営ブティックとはコンセプトが分けられており、ボルドーとブラウンを基調としたメンズライクな、落ち着いた世界観のデザインが特徴となっていた。
しかし、2022年のリニューアルに際し、直営ブティックと共通コンセプトによるシャンパンカラーを基調とした内装に刷新され、デザインはもちろん、調度品やそのしつらえなどが、すべて直営ブティックと共通の仕様となった。
フランス・シャンパーニュ地方の特産品であるスパークリングワインを意味する「シャンパン」。その明るく温かみを感じさせる独特の色調を採用した店内は、これまでの重厚感とは打って変わり、ホワイトとゴールドを多用した明るい空編へと変貌。カルティエの標榜するエレガントな世界観がそこに反映されている。
このショップの仕様変更に伴い、その正式名称も新たに「カルティエ ウォッチブティック」へと変更されたのである。
また、そのロケーションも抜群。松坂屋名古屋店の本館から連絡通路を通って北館に入ったすぐ右側、「GENTA the Watch」入り口というとびきりの場所に、このブティックが設置されている。
- おすすめモデル -
-
タンク ルイ カルティエ
CRWGTA0011
詳細はこちら
-
サントス ドゥ カルティエ
CRWHSA0015
詳細はこちら
-
パンテール ドゥ カルティエ
CRWJPN0032
詳細はこちら
メゾンの伝統を継承するレクタンギュラーの名品
1917年、第一次世界大戦で活躍した戦車(タンク)のキャタピラ(無限軌道)をモチーフとしてデザインされ、1919年に最初の製品がリリースされたレクタンギュラー型(長方形)のウォッチが、カルティエというメゾンを代表する『タンク』の原点であり、その流麗なフォルムを継承する現代のカルティエにおけるメイン・コレクションのひとつが『タンク ルイ カルティエ』である。
-
この幾何学的な構成を導入した明瞭なスタイルは、モダン・ウォッチデザインの元祖であり、やがて1920年代から30年代にかけて世界を席巻するアール・デコ様式の先駆けとなったのである。
ここでピックアップする「タンク ルイ カルティエ」CRWGTA0011は、温かみ溢れる色調の18Kピンクゴールドのケースに、カルティエマニュファクチュールが製造する「キャリバー 1917 MC」という手巻きメカニカルムーブメントを搭載する2針のバージョン。
メゾンを象徴するローマ数字インデックスの内側には、これもカルティエのデザインにおけるアイコン的な存在となっているレイルウェイトラックと呼ばれる分目盛りが印字されており、シンプルさの中にも確かな視認性を確保している。
- MODEL DETAIL -
-
タンク ルイ カルティエ
税込 1,900,800円
品 番 |
CRWGTA0011 |
ムーブメント |
キャリバー 1917 MC 手巻きメカニカルムーブメント マニュファクチュール |
ケース素材 |
18Kピンクゴールド |
ケースサイズ |
33.7mm x 25.5mm |
防 水 |
日常生活防水 |
ガラス |
ミネラル クリスタル |
ベルト素材 |
アリゲーターストラップ、18Kピンクゴールドアルディロン バックル |
備 考 |
パール状の飾り付きリューズにサファイア カボション、パール状の飾り付きシルバー仕上げダイアル |
冒険者の発想が産んだ『サントス』最新スケルトン・バージョン
20世紀初頭、パリを舞台に活躍したブラジル生まれの飛行家、アルベルト・サントス=デュモンは、友人であるルイ・カルティエに「飛行中にも時間の確認できる時計」をリクエストした。これに応えカルティエがデザインしたのは、激しい振動でもガラスがはずれないためにビスでベゼルを固定する腕時計を1904年に製作。これが『サントス』と呼ばれる腕時計の原型となった。
-
この『サントス』をベースに大胆かつモダンなスケルトン加工を施したのが、「サントス ドゥ カルティエ」CRWHSA0015である。
従来、スケルトン・ウォッチといえば、地板やブリッジを流れるようなラインで切り抜き、そこに植物をモチーフとする流麗なアラベスク模様を刻むのが伝統であった。
しかし、『サントス ドゥ カルティエ』のスケルトン・ウォッチでは、このような伝統的な技法から脱却し、カルティエというメゾンを象徴するローマンインデックスの形に地板を透かし彫りすることで、鮮烈かつモダンなイメージと、時刻の読み取りやすさという視認性の向上を両立させたことに大きな意味がある。
このスケルトン加工されたムーブメントはカルティエのマニュファクチュールで製造された手巻きの「キャリバー 9611 MC」。
-
白く輝くステンレススティール製のケースとスケルトンのダイアルにブルースティール仕上げの時分針、そして七角形のリューズにセットされたファセットを施したブルーのサファイアが見事なハーモニーを奏でている。
ちなみに『サントス』独特の意匠であるベゼルのビスとリンクするビス装飾入りのステンレススティール製ブレスレットには「スマートリンク」サイズ調整システムが採用され、簡単にサイズの微調整が行えることも、このモデルの大きな特徴。さらに交換用としてアリゲーター製ストラップが付属し、「クイックスイッチ」交換システムによってブレスレットとストラップを自分で簡単に交換して楽しむことも可能となっている。
- MODEL DETAIL -
-
サントス ドゥ カルティエ
税込 4,422,000円
品 番 |
CRWHSA0015 |
ムーブメント |
キャリバー 9611 MC 手巻きメカニカルムーブメント マニュファクチュール |
ケース素材 |
ステンレススティール |
ケースサイズ |
47.5×39.8mm |
防 水 |
10気圧(約100m)防水 |
ガラス |
サファイアクリスタル |
ベルト素材 |
ステンレススティールブレスレットに「スマートリンク」サイズ調整システム |
備 考 |
セカンド アリゲーターストラップ、ステンレススティールインターチェンジャブル デプロワイヤント バックル、どちらのブレスレット(ストラップ)にも「クイックスイッチ」交換可能システムを搭載。時、分、ローマ数字を象るスケルトンブリッジ。 |
ウォッチとジュエリーを橋渡しするスタイリッシュなアイコン
世界有数のジュエラーでありウォッチ・メゾンでもあるカルティエという存在を、もっとも端的に表現するコレクションが『パンテール ドゥ カルティエ』である。
-
その誕生は1980年代。以後、『パンテール ドゥ カルティエ』は、幾度かのモデルチェンジを経て、より現代的な装いとなり、世界中の多くの女性に愛されるスタイリッシュなアイコンへと昇華したのである。
ここで紹介する「パンテール ドゥ カルティエ」CRWJPN0032は、そのコレクションの中でも小ぶりな25✕20mmのケースを持つミニモデル。その素材は、近年復活著しい18Kイエローゴールドを採用し、ブレスレットも同じ素材を採用することで、ケースからブレスレットへかけての流れるようなラインが形作られ、その存在感をより一層、際立たせている。
- MODEL DETAIL -
-
パンテール ドゥ カルティエ
税込 4,422,000円
品 番 |
CRWJPN0032 |
ムーブメント |
クォーツムーブメント |
ケース素材 |
18Kイエローゴールド |
ケースサイズ |
25mm x 20mm |
防 水 |
日常生活防水 |
ガラス |
サファイアクリスタル |
ベルト素材 |
18Kイエローゴールドブレスレット |
備 考 |
18Kイエローゴールド八角形リューズにブリリアントカット ダイヤモンド。シルバー ダイアル |
文:名畑 政治
Text: Nabata Masaharu
1959年、東京生まれ。80年代半ば、フリーライターとして取材活動を開始。90年代からはカメラ、時計、万年筆、ファッションなどを題材に、メンズ誌・情報誌で取材・執筆。94年から毎年、スイス時計フェア取材を継続中。2009年からは時計専門ウェブマガジン「Gressive」の編集に携わり、2015年、Gressive編集長に就任。著書に「オメガ・ブック」、「セイコー・ブック」、「ブライトリング・ブック」(いずれも徳間書店刊)、「カルティエ時計物語」(共著 小学館刊)などがある。
※表示内容は、掲載時のものです。
※表記内容は予告なしに変更される場合がございます。
※商品の色目は、モニターやディスプレイの都合により多少異なる場合がございます。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。