ブランド誕生50周年を祝賀して“頂点の美”を追求するクレドール50周年記念イベント開催

「Art Piece Collection GBBD981」に搭載されるスケルトン仕様の薄型ムーブメント「Cal.6899」は、1969年にセイコーが発売した極薄型高級ドレスウオッチ「セイコー U.T.D.（ウルトラ・シン・ドレス）」に採用された「Cal.6800」を継承する68系キャリバーのスケルトン・バージョン。68系キャリバーは、厚さ（薄さというべきか？）1.98mmという超薄型ムーブメントだが、セイコーはこの薄さを実現するためアンクルのシャフトに段差を付け、ヒゲ持ち受けと緩急針を横に並べるなど独自の工夫を施した。やがて極薄型の68系キャリバーはクオーツ化の波に押されて一端、生産を終了するが、1993年、クレドール専用の「Cal.6870」として復活。さらに1996年にはスケルトン化され、地板と受けにハンドエングレービングを施した日本初のスケルトン専用ムーブメント「Cal6899」が誕生した。だが、特殊構造を採用した68系キャリバーは組み立てが難しく、修練を積み重ねた熟練の時計師によってのみ、ごく少量が生産される体制が今も継承されている。

　時計として必要な表示を絞り込み極限まで研ぎ澄ますという理念のもと、2014年に誕生したセイコーのマスターピースコレクション「叡智Ⅱ」。セイコー創業140周年記念モデルとなる最新作では、古代から宝石として珍重されてきた「瑠璃」を文字板で再現している。「瑠璃」とは「ラピスラズリ」のこと。正倉院宝物庫にも収められ、日本画では絵の具（顔料）の原料として珍重されるが、その深く澄んだブルーをガラス質の釉薬を塗布し高温で焼成する磁器で表現している。実際には釉薬を塗っては焼成する工程を繰り返すことで、高温で溶けた釉薬が文字板の表面に自然なカーブと凹凸を生み出し、それが豊かな表情と深みに富んだ色調を生み出している。また文字板に施された12のインデックスとブランドロゴは職人の手書きによるもの。独特の立体感が表現され視認性にも優れている。ムーブメントはセイコーが独自開発した機械式とクオーツのハイブリッドなスプリングドライブ「Cal.7R14」。手作業による仕上げが施された美しいムーブメントに採用された「トルクリターンシステム」により、限られたエネルギーを有効利用し、従来の手巻き式スプリングドライブより約25％アップした約60時間という長いパワーリザーブを実現し、実用性をも格段に向上させている。