ブレゲといえば、精緻なギョーシェ彫りを思い浮かべる方も多いことでしょう。
しかしブレゲには、装飾性とは異なる価値を追求してきた、もう一つの美学があります。
それが、伝統技法〈グラン・フー・エナメル〉です。
18世紀に製作された懐中時計の文字盤が、なぜ今もなお白く、美しくあり続けているのか——。
アブラアン=ルイ・ブレゲが追い求めたのは、単なる装飾ではなく「正確に時を読むための文字盤」でした。その答えのひとつとして選ばれたのが、高温で焼成を重ねるグラン・フー・エナメルです。
800度以上の高温で幾度も焼き上げられるエナメル文字盤は、一点一点が異なる表情を持ち、同じものは二つとして存在しません。時を経ても色あせず、歪まず、澄んだ白を保ち続けるその佇まいは、機能性と美しさを同時に満たす、稀有な素材といえるでしょう。
本フェアでは、250年を超えて受け継がれるブレゲの美意識と哲学を体現するグラン・フー・エナメルモデルを厳選してご紹介いたします。今この場でしか出会えない表情を持つ一本を選べる機会として、時計を知る方にこそご覧いただきたいフェアです。永く時を刻む一本との出会いが、ここにあります。



