日本を代表するウォッチブランド「グランドセイコー（GS）」。その豊富なコレクションの中でもコストパフォーマンスに優れていることで人気なのが、1993年に誕生した“究極のクオーツムーブメント”と呼ばれる「Cal.9F」シリーズを搭載するモデルである。現在、「Cal.9F」を代表とするクオーツムーブメント搭載のGSには、ベーシックな時・分・秒の三針と日付表示を装備する、いわゆる「三針デイト」モデルを筆頭として、デュアルタイム機能を装備したスポーティなGMTモデルがある。小ぶりな「4J系」ムーブメントを採用したレディースモデルなどもラインナップされ、幅広いニーズに応えている。

　1993年、クオーツの常識を破る高い精度と美しい外観、そして機能性を兼ね備えた「Cal.9F」が誕生した。現在、この「Cal.9F」と、これをベースとする発展型クオーツムーブメントを搭載するGSの特徴は、なんといってもクオーツならではの信頼性に富んだ高い精度である。そして、このような高い精度と機能性を搭載しているにも関わらず、比較的リーズナブルな価格を実現していることも大きな魅力だ。

　もちろん電池のパワーが落ちない限り、高い精度をキープし続けることは、忙しい日々の生活において、この上ない利便性を我々に与えてくれる。加えてコンパクトなムーブメントのサイズに由来する“大きすぎないケース径”も魅力のひとつ。

　初めて高級時計を手に入れる方や、気軽に普段遣いできるハイレベルなタイムピースを探している方に、これ以上、うってつけのモデルはないと断言できる、コストパフォーマンスに優れた実用時計の名品。それがGSのクオーツなのである。

　初代モデル誕生以来、「正確で」、「見やすく」、「美しい」という時計の本質を追求し続けるGS。この理念を体現するのが1993年に発表された“究極のクオーツムーブメント”と呼ばれる「Cal.9F」である。

　その精度は年差±10秒以内であり、高い精度を保有している。さらに高いトルクと省エネルギーを両立させた「ツインパルス制御モーター」により、GSらしさに溢れた太く厚く重い針の駆動に成功。1秒に1度のステップ運針を確実に行うために秒針のふらつきを抑える「バックラッシュ・オート・アジャスト機構」や日付が変わる際にカレンダー表示を瞬時に切り替える「瞬間日送り機構」の搭載。クオーツでは異例な9石を軸受に使用し、特に重要な部分には保油性を高めゴミの侵入の防ぐ組み合わせ軸受けを採用するなど、これまでのクオーツ時計の常識を打ち破る数々の新機構が搭載されている。

　また「Cal.9F」はクオーツとしては珍しく、高寿命化を目指して高気密構造を採用。ムーブメント全体を覆う金属製のカバーには放射状の磨き仕上げとゴールドプレートが施され、通常のクオーツとは別格の輝きと威厳を誇っている。

　1967年に発売された「44GS」により確立されたセイコー独自のデザイン理念「セイコースタイル」。これを現代的に再解釈して生まれたケースに、時計を止めずに時針を単独に動かすことのできる「時差修正機能」を追加した新しいクオーツキャリバー「9F85」を搭載したモデル。ベゼルとケースは、セイコーの匠が行う高度な鏡面研磨技術「ザラツ研磨」によって歪みのない平滑面に仕上げられている。さらにこの鏡面仕上げと筋目仕上げを組み合わせ、ベーシックでありながら立体感に富むケースの美を際立たせている。時刻を表示する文字板のインデックスと時分針には多面カットを施すことで、美しいキラメキと高い視認性を確保している。

　ねじロック式りゅうずによる高い防水・防塵性など、スポーツウオッチにふさわしいスペックを備えたコンパクトサイズのGMTモデル。24時間表示入のベゼルは硬質感をアピールするステンレススチールを採用。同じくステンレス製のブレスレットはシンプルな三列デザインでタフさと確かな装着感をサポートしてくれる。放射模様の筋目仕上げが施されたブラック文字板とホワイトで塗装されたシャープなGMT針が、洗練された印象を演出する。

　精悍なヘアライン仕上げを主体としたケースや赤いGMT針など、スポーティな作り込みが強い印象を与えるケース径39.0ｍｍのコンパクトなGMT（デュアルタイム）モデル。鮮烈なレッドに塗装されたセンターの24時針により、異なる地域の時刻を表示する。搭載される「時差修正機能」は、時計を止めずに時針のみを修正可能。海外旅行などの際、旅先に到着して簡単に現地時刻に修正できるので、クオーツ時計の高い精度を損なうことがない。

　ザラツ研磨による歪みのない美しい鏡面と、きめ細やかな筋目仕上げが施されたステンレスチール製のケースが、静かに存在感を主張するベーシックなモデル。ケース径は小ぶりな37.0ｍｍ。厚さを10.0mmに抑えることで、ドレスシャツの袖口にも美しく収まる絶妙なボリューム感を実現。日々の生活のパートナーにふさわしいモデルである。

　GSとしての基本性能と機能美はそのままに、女性の腕に合わせて繊細な作り込みを施したクオーツモデル。歪みのない美しい鏡面仕上げは、セイコーが得意とするザラツ研磨によるもの。この鏡面と鮮やかな対比をなすのが、きめ細やかな筋目仕上げが施された面である。このふたつの仕上げ技法を駆使することでフォルムの美しさが際立っている。文字板とインデックス、針はトーンの異なるシルバーで統一。凛とした気品と知性が漂う女性のためのGSである。